ミャンマーはかつてビルマと呼ばれていました。
1989年、軍事政権は国名の対外呼称をビルマからミャンマーへと変えたのでした。
英語表記を Union of Burma から Union of Myanmar に改称したわけです。
もともとミャンマーは文語的呼称であり、ビルマは口語的で自国を呼ぶ時に言われていました。
対外呼称ミャンマーが受け入れられない理由
日本を例にすると対外呼称はジャパンだけど、これからはニッポン(ニホン)とします、という塩梅です。
はいはい、ミャンマーですね、了解!という風にはいきませんでした。
なぜなら軍事政権が勝手に決めたからです。
もうひとつ複雑にしているのは135の民族が暮らす多民族国家という問題でした。
ビルマ族が約7割を占めているからといって一部の民族を表すビルマではなく、他の民族も包括する語のミャンマーに改称したともいわれています。
けれど、ミャンマーは歴史的にもビルマと同義であると主張する人もいます。
確かにミャンマーとビルマは同義といえるでしょう。
ビルマ族の人に、あなたは何族ですか?と聞くと「ミャンマー族です」という返答がよくあります。
少数民族の人に民族を尋ねて、ミャンマー族ですと言われたことは皆無です。
ミャンマー人は自国をなんと言う?
現地の人が自国を何と言って外国人に説明するのでしょう。
私が滞在するようになったのは1990年中頃からなのですがミャンマーの方を耳にします。
少数民族の人や政治的な姿勢を表明する人はあえてビルマを使っている人もいました。
映画「ビルマの竪琴」が有名で、ビルマの方が馴染み深いからというわけではありません。
さらに2010年、国名はミャンマー連邦から改名されました。
現在の国名はミャンマー連邦共和国(Republic of the Union of Myanmar)です。
国名はミャンマー、公用語はビルマ語
2011年より民政移管され、2016年には民主化のシンボル・アウンサンスーチー氏が率いるNLDが政権を担うようになりました。
そうして、ほとんどのメディアもミャンマーを使用するようになりました。
現地の人は普段から国名をミャンマーと呼んでいます。
私もそれに倣い、国名はミャンマーとします。
けれど、公用語の言語を指す時はビルマ語とします。
ミャンマーでは多数派ビルマ族の言語が公用語になっており、現地ではミャンマー語という言い方をするのが普通です。
矛盾するようですが、多民族国家ゆえ様々な民族の言語が存在する中、私が学んできたのはカレン語やカチン語ではなくビルマ族の言葉だからです。
このサイトやブログでは、国名はミャンマー、公用語はビルマ語と表記します。
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